道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

李朝の器の如く

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5月に福井に行った際に、越前の里山で作陶をしている陶芸家の土本訓寛さん・久美子さん夫妻にお会いしてきました。

越前焼らしい野趣あふれる焼き締めの器も制作しているのですが、僕の目を惹いたのが夫婦合作の『三島手』の器。三島というのは、生地の表面に線を彫ったり印判を押してへこませ、そこに化粧土を埋め込む象嵌技法の器のこと。李朝時代の朝鮮半島でよく作られていたものです。
そんな李朝の器をお手本に、造形(ロクロ)を訓寛さん、象嵌を久美子さんがそれぞれ担当して三島作品を制作。越前の土が持つ荒々しさと何とも言えないやさしい紋様のコンビネーションがとてもすてきなシリーズで、薪窯で焼いた作品ならではの風合いが魅力です。
今回は、使いやすい筒湯呑と六寸皿を作ってもらっています。

前にもお知らせしましたが、8/19からはじまる新宿伊勢丹5階のイベント「iichi CRAFTS MARKET 第3期」で、店主・はるやまは小さなキュレーションブースを担当する予定。
今回の展示では『和の匠が象る鳥紋の世界』というテーマに沿ってコーディネートをする予定で、土本夫妻の新作もそちらに連れてゆきたいと思っています。素朴と洗練を併せ持った器たちの風合いを、ぜひお楽しみいただきたいと思います。


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