道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

染付 枯淡の美

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現在新宿伊勢丹5階のキッチンダイニング・デコールにて開催中のイベント「iichi CRAFTS MARKET(8/5-24)」。僕は第2期(8/12-17)に続き、第3期(8/19-24)でもキュレーターとしてダイニングテーブルのコーディネートを担当しています。

上の画像の吉田崇昭さんの六寸皿は、その展示のために作ってもらったお皿のうちの1枚です。
有田の窯業大学校で学び、さらに唐津で修業し、現在は地元の福岡で作陶する吉田さん。初期伊万里古伊万里を彷彿とさせる染付作品を得意とする作り手です。
こちらのお皿はいにしえの紋様を模した作品でありながら、パン皿やケーキ皿として日常使いしたくなるうつわ。ただの模写にとどまらず、サイズや形状などにさりげなく吉田さんならではの現代的なアレンジが成されているところがいいんですよね。だからこそ、骨董のようなたたずまいなのに、『今を生きるうつわ』だという印象を受けるのではないでしょうか。

今回のイベントは、会期全体のテーマが「Life with Animal」。そこで僕は、第3期キュレーションのお題を「和の匠が象る『鳥紋』の世界」というふうに設定してみました。自然とともに生きてきた日本人のもっとも身近な野生動物が鳥であり、古来、工藝のモチーフとしてもよく用いられてきました。それをテーブルコーディネートとして現代の食卓の上に甦らせてみたいなあと思ったのです。
吉田さんには絵替わりで、こちらの尾長鳥の他に鷺や鶴などの絵を描いてもらいました。古風なのに、現代でも通用するかわいらしさを宿した鳥紋の六寸皿。日常の暮らしの中で楽しんでもらいたい「通好み」の器です。
新宿伊勢丹での展示は、8/24までですので、お近くの方はぜひ。


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