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道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

会津絵の椀

展示

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日本全国津々浦々では古来さまざな工藝が育まれてきましたが、作られる工藝品には、その地域の『土地柄』というものが影響するものです。

上の画像は、漆作家・村上修一さんが修復した会津の古い吸物椀。松竹梅や破魔矢や桧垣など吉祥紋様の漆絵がびっしりと書き込まれた『会津絵』という装飾スタイルが特徴です。
交通の要衝である会津は、豊臣政権から幕末に至るまで有力大名が封ぜられてきたこともあり、剛毅で華麗な武家文化が花開きました。その象徴が『会津塗』という漆工藝であり、装飾様式としての『会津絵』なのです。戦国期の荒々しい気風が反映された武家好みの重厚な意匠、色漆と金蒔絵を併用した鮮やかな配色に目を奪われます。
自然体が好まれるようになった現代。『ハレ』を象徴する『会津絵』のような器たちを目にする機会は減ってしまいましたが、村上さんが修復したこの吸物椀には、年月の蓄積による何とも言えない味わいがにじみ出ているのではないでしょうか。
世の中から『ハレ』と『ケ』との明確なボーダーというのは消えてしまったけれど、この会津絵の器には、人の心の中に埋め込まれている『ケ』→『ハレ』の切り替えスイッチをONにする力が備わっているような気がします。手に取ってじっくりと眺めていたら、先人たちの想いや良き時代のエッセンスが伝わってくるような気がしました。
僕は骨董屋ではないけれど、これこそ、時代を超えた『器との対話』というものなのかもしれませんね。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp
村上修一漆器展 11/28-12/11 http://www.room-j.jp/gallery/2015/11/1128.php

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