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道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

無国籍

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細かいことを抜きにすれば、「日本国内の作り手による良き器と工藝を扱う」というのが、店の大まかな指針。
それを以って、「『和』の店」(もしくは「『和風』の店」)だと捉えられてしまうこともあるのだけれど、「日本国内で作っていること」と「『和』であること」とはイコールではないんですよね。本来。
「和」という言葉に「日本趣味」とか「日本風」というようなニュアンスが多分に含まれていることを考えると、うちの店はむしろ「『和』の店」というイメージからは遠い存在のようにも思えます。

たとえば-。
画像のぐいのみについては、日本のものなのかというお尋ねをよくいただくのですが、こちらは紛れもなく日本の器。
越前(福井)の作り手・武曽健一さんの手になるもので、風合いのある越前の土を使い、いにしえの茶人たちに珍重されたベトナムのやきもの(安南焼)のごとく滲みが出るような絵付け(絞り手)を施しています。それでいながら、描かれているのはヨーロッパの紋様のようなかわいらしい花柄。形状自体はシンプルでモダンだったりするし、作品ひとつの中に、様々な要素が織り込まれている。無国籍な雰囲気だけれど、これはれっきとした日本の手仕事だと言えます。
明治に生きた我々のご先祖は、「和魂洋才」という造語を文明開化のキャッチフレーズにしていました。それとは少し意味合いが違うかもしれないけれど、バラバラなものを自らの内でうまく混在させる「リミックスの妙」というのは、昔から日本人が得意としたところ。いま店で販売している手仕事に関しては、そんなDNAがそこはかとなく感じられるものが多いのではないかと思います。武曽さんの器のように。
そういう意味で言うと、無国籍&カオスに見えるうちの店にも、日本的なるものが宿っているのかもしれません。意外とね。
「『和』の店」ではないけれど。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp
武曽健一作品ページ http://www.room-j.jp/shop/products/list.php?category_id=370

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