道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

めでたい張子

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「器屋」だと名乗りながらも、器とは関係のない郷土玩具や民藝玩具などに心奪われてしまっている今日この頃。
出張や旅行で地方に行くと、土地によってそれぞれ特色ある玩具があって、そういうものを見るのも旅の醍醐味だなあと思っています。
郷土玩具の中でも特に興味深いのは、張子人形。張子は素材が紙だけに、造形の自由度が高く、伝説の人物や吉祥を招く福々しい動物を象った面白いものがたくさんあって、目を楽しませてくれます。

そんな中、とある展示で目にしたのが、前田ビバリーさんの作品。
張子作家のビバリーさんは、全国の面白い張子たちを自分の中で咀嚼して、独自の雰囲気の作品を作っています。ひとめ見た時に、「おお!」と思い、なんとか明日からの展示に出品してもらう運びになりました。

画像の作品は、左から、福助、福良雀、みみずく。
それぞれおめでたい意味や魔除けの意味を持つ張子人形ですが、ビバリーさんの手にかかると、どこか脱力したような、なんとも言えないかわいらしさを醸し出します。古くからの人びとの想いはそのまま大事にしつつも、あたらしい作品として、現代を生きる我々の目と心を癒してくれる張子たちだと思います。


企画展 あらたま・ことほぎ 2016/12/16-2017/1/9 http://www.room-j.jp/gallery/2016/12/1216-2017.php
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