道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

当たり前のこと

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素敵な器が好きな僕ですが、そこにはちょっとした枕詞が付きます。正確に言うならば、「『日々使える』素敵な器」が好きなのです。
作家ものや骨董でものすごく素敵な器を見つけると、確かに所有欲は喚起されますが、手に入れたとしても、結局使わなくなってしまうことって結構あると思うのですよ。ひとりの器好きとして、これまでそういう失敗を数多く繰り返してきたけれど、器を売る売る側のヒトとしては、そういう失敗はしちゃあいけないよなあ、と思っています。
だから、お店の器をセレクトする場合は、自分の器を買う時以上に頭がフル回転。大きさとか、色とか、重さとか、手にした時の馴染み感とか、あとお値段(これも大事)とか、さまざまな条件が頭の中をぐるぐると行ったり来たりしてしまうわけです。

結局、初歩的な話になってしまうけれど、当たり前の料理(凝った料理じゃなくて)が美味しく見える器が一番だなあと思いますね。上で言った条件を満たすような。僕自身、調理は好きだけれど、そんなに難しいものが作れるわけもないので。
作家ものであれ、窯元のものであれ、何の変哲もない料理が当たり前に美味しく見える器。衒いのない(気取らない)、そういうスタンダードの器こそがいま必要なのだという想いを強くする今日この頃です。


肥前吉田の角皿 http://www.room-j.jp/shop/products/detail.php?product_id=1626
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