道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

ちゃんぽんの味

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前回の記事に引き続き、2013年の旅の画像を整理していたら出てきた一枚。長崎県波佐見町で撮ったものです。
十数年前、堀江陶器の堀江さんとともに窯元廻りを始めた時に連れて行ってもらった有田屋という食堂で出会ったのが、このちゃんぽんでした。
廃校になった古い木造の小学校の脇にぽつんと建っていて、一見開いてるのか閉まってるのかわからないようなたたずまいの有田屋。でも、お昼ともなれば窯元や問屋の人たちでいっぱいになる、知る人ぞ知る名店なのです。
初訪問以来、波佐見を訪れるたびに、ほぼ必ず立ち寄るこの有田屋。今も一緒に窯元廻りをしてくれるジモティーの堀江さんにこれをリクエストすると、「今回もまた?本当にいいんですか?」と聞かれるのだけれど、そう、いいんです。むしろ、有田屋のちゃんぽんがいいんです。
地元の人からしてみれば、長年食べ慣れていてあまり感動がないのかもしれないけれど、出汁の効き加減や麺の茹で加減が最高なんですよ。長崎の中華街で観光客向けの豪華な海鮮ちゃんぽんを食べたこともあるけれど、僕は、土地の暮らし向きが感じられる有田屋のちゃんぽんの方が好きだな。『ソウルフード』っていう感じがして。
ちなみに、波佐見では家でもちゃんぽんをよく食べるようで、それぞれの家庭の味があるそうです。もはや味噌汁並み。やはりソウルフードだね。


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