道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

御朱印帳

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今年の秋はお彼岸の間に休みが取れないので、お墓参りの予定を前倒し。昨日、ご先祖が眠る多磨霊園に行ってきました。
そして、その帰りにはちょいと足を延ばし、バスに揺られて深大寺まで。こちらには小学校の遠足(神代植物公園深大寺のセット)で行ったきりなので、なんと40年振り(!)の訪問。寺社をお詣りするのは大好きだし、家からさほど遠いわけでもないのだけれど、なぜだか長いこと足が遠のいてしまっていたのです。
武蔵野の面影を残す木立に囲まれた門前には湧水池があり、小さな水脈からきれいな水が流れ込んでいます。この池のほとりで名物のお蕎麦を食べ、小一時間ほど池の鴨をながめながらぼーっとしました。癒されたね。
そのあと境内をお詣りし、寺務所でご朱印をいただきました。三種類あると言うことなので、全部いただいてしまいましたよ。欲張って。

帰りのバス停で御朱印帳をめくり、いただいたばかりの三種類を感慨深く眺めていると、前に並んでいた年配のご婦人がけっこう大胆に接近して覗きこんできて、「すごく素敵ね。それはなあに?」と興味津々で尋ねてきました。そこで、ご朱印とは何ぞやを一通り説明すると、「あーたお若いのに、よくご存知なのねー。私はこの年になるまでそんなの知らなかったわー」と。
近所にお住まいで、深大寺にはよくお詣りするらしいのだけれど、もっと早く知っていればよかったと悔やんでいました。そうだよね。僕も5年程前にご御朱印帳の存在を知った時は、ちょっとショックだったもの。それまで日本全国で数知れず寺社詣りをしてきたのに、なんだか損した気分になってしまって(笑)。もちろん、邪な気持ちを捨ててお詣りするべきだというのはわかっているけれど、それでも、俗世に生きる下々の者としては、目に見える『お詣りの証し』が欲しいものだよね。
ご婦人は僕より先にバスを降りたのですが、降りてゆくその背中には、ご朱印ライフを始めようという『気』がみなぎっておりました。

ご朱印集めだけのために寺社巡りをするのは本末転倒かもしれないけれど、御朱印帳のページが埋まってゆくと、マニ車を回してるような、お遍路をしているような、そんな気分になるのも事実。
心が洗われて、穏やかになってゆくような気がするんですよね。
ご朱印ライフ、これからも続けます。


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