道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

宇治山田駅

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店舗の連休を利用して、三度目のお伊勢詣りに行ってきました。
行きは外宮の参道に近い伊勢市駅で下車し、帰りはクラシカルな雰囲気漂う宇治山田駅(上の画像)を利用。この宇治山田、日本の国の一の宮とも言える伊勢神宮の玄関口ということで、かなり立派な造りの駅舎(昭和6年建築)です。ウィキペディアによれば、東武浅草駅と同じ久野節という建築家による設計だとのこと。
僕は建築の専門家じゃないので、くわしい建築様式についてはわからないけれど、外観の細かい装飾にはネオルネサンスっぽい雰囲気があるような気がするし、内部の八角形の採光窓はアールデコっぽく見えるし、照明の花型のシェードのあたりにはアールヌーヴォーの残滓があるようなないような。イロイロな側面を持ちつつ、決してチグハグな感じではなく、それらが心地よく同居している建物です。神都に相応しい気品が感じられますね。
威容を誇るタイル貼りの外観も素晴らしいのだけれど、僕は、内部コンコースのゆったりとした雰囲気が好き。天井が高くて。機能性と経済性が優先されるいまどきの駅舎と比べると、なんとも贅沢な空間です。
電車の時間までしばし佇んでいると、旅というものがただの移動ではなかった時代にタイムスリップしたような錯覚に陥ってしまいます。


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