道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

静かな夏

f:id:kurasustore:20160810122505j:plain


数年ぶりに、静かな8月を迎えている矢来町。
というのも、今月1日からお隣の商業施設・ラカグが3週間にわたって改装期間に入り、昨日からは近くにあるプリンと焼菓子の有名店・ACHOさんが長期の夏季休業(8月末まで)に入っているから。
小さな店があちこちに点在する神楽坂は、坂上も坂下も含めて、夏はもともと客足が遠のいてしまいがち。ただ、周囲のお店がこれだけ長期に渡って休むとなると、うちの店は住宅街の中にぽつんと孤立した状態になってしまうわけで、心細い気持ちがまったくないと言えば嘘になります。

と、ここで、うちの店がここに移ってきてはじめての夏のことを振り返ってみます。
引っ越してきたのは2011年の9月なので、はじめて迎えた夏と言うと、翌12年。まだラカグができる前、周囲にこれと言ったお店がなかった頃のことです。
いまでも覚えていますけどね、それまで少しずつ増えてきていた客足が、梅雨明けとともにいきなりぱたりと途絶えてしまったのですよ。「えーーーーーー!」と思ったものでした。それでも、時間に余裕ができたので、ホームページを充実させたり、SNSでの情報発信に取り組んでみたり、『アリとキリギリス』のアリのごとく、それまでにできなかった諸々の作業を静かにすすめていました。
そうこうするうちに秋が訪れ、遠のいた客足が再び戻り、雑誌や書籍などの取材がすこーしずつ入るようになってきた頃、ACHOさんができ、一昨年はラカグができ、矢来町周辺(神楽坂上)がにわかに注目されるようになったのでした。それが、今現在みなさんが目にしている神楽坂上の姿です。

そういう経過を思い起こすと、ここ2〜3年くらい、神楽坂上が注目されている状態に慣れきって甘えてしまっていたのかなあとも思い、僕自身ちょっと反省しています。
こういうのって、一過性のブームかもしれないわけですからね。
静かになるであろう今年の8月は、「初心にもどれよ!」という何某かのメッセージを含んだ特別な時間なのかもしれないなあ、などと思えてきます。

とか言いつつも、連日の猛暑の中、「暮らす。」を目指して来てくださる方が毎日着実にいらっしゃって、本当にありがたいと思っています。4年前の夏枯れの日々とは比べ物にならない感じです。
来月で、神楽坂に移って丸五年。それに伴って特別なイベントをする予定はないけれど、せめて今月のうちに、これまでできなかったことを整えて、六度目の秋に備えたいと思います。
ご近所のお店がお休みなので、街歩きとしての楽しみは半減ですが、「神楽坂 暮らす。」は、8月も夏季休業を取らずにゆるゆると営業しています。ぜひみなさんもゆるゆると器を選びに来て下さいね。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp