道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

2016年、そして2017年

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2016年の営業は昨日29日をもちまして終了いたしました。
一年間、ご愛顧いただいたみなさまに、心より御礼申し上げます。

今年は、2月のアド街ック天国をはじめ、いろいろなメディアで紹介していただいたことで、新しいお客様と知り合える機会が増え、本当に充実した一年になりました。ただ、そういうメディアの方々の厚意に甘えて、次々と訪れるうねりに身を任せてしまった感もあり、店主としてやりたかったことについては半分も達成できなかったなあ、という気がしています。
僕自身、「野心(野望?)」というような大それたものとはまったく縁がない人間だと自覚していますが、「大志」のようなものだけは持ち合わせているつもりなので、来年は目に見えにくい志を目に見える形に整えてゆく年にしたいと思います。
昨今の器屋は、ともすると「作家紹介所」のような存在になってしまいがちですが(それは消費者の欲求への回答でもあるので、商いとして悪いことではない)、僕の中には、個人の作り手という存在を超えた工藝そのものの根っこに触れてみたい気持ちがあります。モノづくりがなぜ日本でこれほどまでに高度に発達したのかという『WHY』の部分や、ローカリティーについて掘り下げた『WHERE』の部分を注視しながら、バラエティーに富んだ雑誌を編集するような心持ちで店づくりをしてゆけたら、と思っているところです。そして、それは結果として、生活を編集するということにつながるのだという確信を持っています。
けれど、それって、真央ちゃんの必殺技・トリプルアクセル並みの難易度。ひょっとしたら自分にはそれが可能なんじゃないかという仄かな希望をどこかに持ちつつも、まだたどりつけていないのが現状です。2017年は、この神楽坂上の地にさらに深く根を張り、しっかりと水やりをしながら、その部分に少しでも近づける一年にしたいと考えています。

これからも「神楽坂 暮らす。」をどうぞよろしくお願いいたします。
2017年、店舗は5日より営業です。みなさまのお越しをお待ちしております。

それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp