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道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

愛らしいスリップウェア

展示

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ここの数年の陶芸界の動きの中で、ヨーロッパ古陶磁の加飾技法を使った「スリップウェア」というジャンルの器が見直される方向にあります。
スリップという技法は、①表面に化粧土という泥漿を掛けてから引っ掻いて紋様を描き出したり、②スポイトに詰めた化粧土を少しずつ絞り出すことで紋様を描き出してゆくもの。特に②については、日本の陶芸の装飾技法である「一珍(筒描き)」とよく似ているので、日本人にとって比較的親しみやすい雰囲気を持っているのかなあと思います。

今年最初の展示「旅ノ記」では、長崎の作り手・小島鉄平さんのスリップウェアを久々に並べています。
ヨーロッパのスリップウェアでは抽象的な紋様を器全体に描き出す「総柄」のものが多いため、現在それを模倣する作り手も多く見受けられるのですが、小島さんはそういう流れとはやや趣を異にする作り手。総柄ではなく、動物などの具象的な紋様をワンポイントで描き出す。その作品は、個性が際立っています。
今回入荷しているのは、シリアルボウルなどに使えそうな長角鉢と、日々の食卓で重宝しそうな六角形の小皿。それぞれ、見込に鳥の紋様を入れてもらいました。
スリップウェアならではの民藝的なあたたかみを持ちながらも、重苦しい雰囲気はまったくなく、むしろ軽やかさを感じさせる仕上がり。
きゅんとくるような愛らしさを持った、心躍る手仕事です。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp