道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

印花

僕は、『三島手』という陶芸の加飾技法が好き。以前も、越前の作り手・土本訓寛さん夫妻の三島手の器を紹介したことがあったけれど、現在開催中の展示『Classical Life』では、もう一人の三島手の作り手・池田大介さんの作品も並べています。 土本さんの作品…

酒眉 vol.3

仕事柄、編集出版関係の方々とのお付き合いが多いのですが、昨年末から彼らとともに『酒眉(さけび)』という同人誌を作っています。 タイトルのごとくお酒好きの諸氏が集まっているので、お酒一色の冊子になるかと思いきや、参加者が増えるたびにバラエティ…

十三夜

明日10月25日は、十三夜。 お月見と言えば十五夜が有名だけれど、いにしえの日本人は十五夜(芋名月)と十三夜(栗名月)をセットとして考えていて、両方の月を見ることでお月見が完結したのだとか。 十五夜は中国の風習が伝播したようですが、十三夜につい…

ロマンティック

もう4ヶ月も前のことになりますが、大好きな大貫妙子さんの新しいアルバム『Tint』が発売されました。 前作『UTAU』は坂本龍一さんとのコラボレーションでストイックなイメージだったけれど、今回はバンドネオン奏者・小松亮太さんとのコラボレーションとい…

しめ飾り

現在開催している展覧会『愛媛のてしごと』で、訪れる人の目を惹いているのが、上甲清さんの手になるしめ飾り。 素朴な造形の中にあしらわれた美しい十字状の宝結びは、上甲さんの考案によるオリジナルの意匠なのだそう。たわわに実る稲穂には、『新しい年が…

越前の薪窯

陶芸の産地に関する言葉で、小山富士夫という陶芸研究家が考案した『日本六古窯』という用語があります。これは、中世から現在に至るまで継続して窯業が盛んな六つの地域、備前・丹波・信楽・越前・瀬戸・常滑を指したものです。 その六古窯のうちのひとつ、…

土味

野趣あふれる焼締の五寸鉢。『焼締(やきしめ)』というのは釉薬を掛けずに高温で焼成された器(=炻器)のことで、土ならではのざらっとした触感が特徴。釉薬を掛けていない分、『すっぴんで勝負!』というような感じの潔さがあります。 こちらの器は、越前…

大根

愛媛県の砥部からはるばる届いた竹山窯の銘々皿。染付(呉須絵具による絵付け)ならではの『ダミ』という描画技法を使った、美しい青のグラデーションが特徴です。 絵付けの柄としては珍しいようにも思える大根ですが、実は、昔から縁起のよい紋様として知ら…