道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

童心に帰る

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絵本の形をした土井朋子さんのオブジェ。
さまざまな技法を駆使したガラス作品で、ブレーメンの音楽隊のワンシーンを象ったものです。土井さんの手仕事は間違いなく『乙女心』をくすぐるけれど、女性だけではなく、僕のようにいい年をしたオジサンの『親爺心』もくすぐってくれる不思議な魅力を持っています。

ガラスで本を作るという発想力もさることながら、絵を付けたガラス板を何層にも重ねて成型する技術とそれを実現するための集中力。物作りにまつわるそういう諸々の要素が、彼女の内なる美意識とともに、作品に強い力を与えているのだと思います。
ふだん土井さんと話をしていて思うのは、好奇心が旺盛な人だなあということ。作り手としてのそういう心根は『こういうものを作ってみたい』『次はああいうものを作ってみよう』と泉のように湧いてくる思考の変遷に結びついていくんですよね。『楽しくて仕方ない』というその感覚(アソビゴコロっていうやつですか)こそが、老若男女を問わず見ている者の心をくすぐることになるのではないでしょうか。

見てるとじわじわくるよ、ほんとうに。


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