道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

桜色の器

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桜も無事開花し、明日からは新年度。
お店では、4月から、新しい作り手・廣川温さんの作品を迎えることになりました。

信楽で作陶していた廣川さんの作品には、2~3年前の陶器市ではじめて出会いました。すてきな空気をまとった作品だなあという印象を受けたけれど、そのときはまだなんとなく機が熟していないような気がして、ご挨拶をしただけで終わりました。
とても失礼な言い方になってしまうかもしれないけれど、そのあとしばらくは、自分の思考の中で寝かせてイメージを膨らませていました。そして、昨年の秋にようやく作品制作を依頼。店というのは絶えず少しずつ変わってゆくもので、お迎えするのにちょうどよい時期が来たかな、という直感があったのです。
やきものの原料である「粘土」は可塑性があり、自由度の高い柔らかな素材。それを焼くことで硬い物質に変化させるわけですが、廣川さんの作品は、素材の記憶をそのまま感じさせるような柔らかな雰囲気を持っています。手と心にしっくりなじむ感じがするのは、彼ならではのすぐれた造形感覚によるものだと思います。
明日から店頭に並ぶ器たちはどれも、粉引の上に桜色の釉薬を掛けたもの。褐色の渋さの中に宿るピンク色が、新しい季節の到来に色を添えてくれるようです。新生活のスタンダードとしてぴったりの器たちがそろいました。


神楽坂 暮らす。 オフィシャルページ http://www.room-j.jp

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