道草雑記帖

「神楽坂 暮らす。」店主の備忘録/日々のこと/器のこと

村上修一さんの漆の器

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12/2からはじまった村上修一さんの漆器展「ヒビノウツワ」。
『ヒビノウツワ=日々の器』というタイトルの通り、衒いがなく、かしこまらない漆の器たちが届いています。

気付けばかれこれ8年くらい、村上さんの作品に触れてきたことになりますが、その間、塗師として漆作家として、試行錯誤しながら作品を作る村上さんを、陰に日向に見てきました。
今回の展示では、そういった長い経緯の蓄積や作り手としての懊悩が、とてもよいかたちで反映されているように思えます。
漆芸技法で言えば、卵の殻を加飾に使う『卵殻』や、麻布や紙を塗りによって成型してゆく『乾漆』の器などが登場し、表現の幅が格段に拡がったように感じます。そして、そう言った技術的な意味合い以外にも、「会津塗」という既成の伝統工藝からふわっと数センチ宙に浮いたような、作り手としての自由さのようなものが感じられました。

もちろん漆器ならではのベーシックな部分をしっかり押さえた作品もたくさんあるし、多くの方に見ていただき、さらに触れていただきたい作品が揃っています。
師走はみなさんお忙しいでしょうが、この機会にぜひ神楽坂へ。


村上修一漆器展 ヒビノウツワ 12/2-15 http://www.room-j.jp/gallery/2016/11/122.php
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